ガスクロマトグラフ-質量分析計 (GC/MS): Exploris GC
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機器名
ガスクロマトグラフ / Orbitrap質量分析計
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機器名(英語)
Gas Chromatograph / Orbitrap Mass Spectrometer
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メーカー
サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)
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メーカー(英語)
Thermo Fisher Scientific K.K.
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型式
Exploris GC
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型式(英語)
Exploris GC
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利用目的
有機化合物の定性・定量、混合物の成分分析
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担当
石原、戸田
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連絡先
お問い合わせフォームより連絡
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状況
使用不可
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解消予定
なし
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補足情報
運用開始前
【お知らせ】
本装置は運用準備中です。下記の記載事項も更新中のため、正しい記述ではございません。
しばらくお待ちください。
概要
質量分析計の概要
本装置は、質量分解能に優れるOrbitrap質量分析計であり、精密質量や同位体質量からの同定精度が極めて高い特長があります。ガスクロマトグラフ質量分析計の構成であり、揮発性の化合物や脂溶性の高いサンプルの測定に特化しています。
質量分解能は検出するイオンの質量によりますが、m/z 200において60,000(FWHM)もの高分解能が達成できます。少数点以下の精密質量測定と同位体ごとのピーク検出により、高い精度での分子式の絞り込みと推定ができます。
主に定性分析による成分同定がメインの機能ですが、高分解能・高感度を生かして定量分析に応用することができます。SIMモードとMS/MSモードの利用により、フェムトグラムのオーダーの分析に挑戦することもできます。感度性能を要求しない成分であれば、汎用のGC検出器で定量・半定量の測定をすることもできます。
MSで重要となるイオン化法は、一般的なEI法とCI法が利用できますので、フラグメンテーションの起こりやすさに応じて使い分けができます。また、本装置はMS/MSが使用できるため、フラグメントイオンの解析も可能で、生成した断片から分子構造を推定ができます。また、ソフトウェアのCompound Discovererを併用することで複雑な解析も簡単に行うことができます。
ガスクロマトグラフの概要
ガスクロマトグラフによって混合物から揮発性成分を分離して分析をすることができます。ガスクロマトグラフは理論段数の高いキャピラリーカラムを標準で使用できるため、成分の分離能力が高いです。夾雑物を大幅に減らして高感度に測定することができますので、定量分析にも向いています。
ガスクロマトグラフ部にはオートサンプラーが付帯し、溶液注入法、ヘッドスペース法、SPME/SPME Arrow法の3種類が使用できます。更に、マルチショットパイロライザー(Py)のオプションが接続でき、熱分解GC/MSの測定ができます。これらの測定法を用いることにより、純物質から複雑なマトリックス成分を含む混合物まで、幅広いサンプルの測定が可能です。
用途
- 有機化合物の同定に優れた性能を発揮します。高分解能であるOrbitrap質量分析計により、少数点以下の精密質量測定と同位体ごとのピーク検出により、高い精度での分子式の絞り込みと推定ができます。また、本装置はMS/MSが使用できるため、フラグメントイオンの解析が可能です。生成した断片から分子構造を推定することもできます。また、ソフトウェアのCompound Discovererを併用することで複雑な解析も簡単に行うことができます。
- マルチタイプオートサンプラーを使用することで、主に、香気成分やVOC(揮発性有機化合物)の分析ができます。溶液注入では、不揮発成分が少なければそのまま測定できます。また、不揮発性成分を含む場合は、溶媒抽出や誘導体化などの前処理工程を経て測定することもできます。一方、ヘッドスペース法やSPME法は、検体から揮発する成分を直接抽出して測定することができますので、複雑な前処理工程を削減して簡便に測定することができます。
- 汎用的なGC/MSでは測定できない不揮発性成分も、直接導入プローブ(DEP)を利用すると測定ができます。DEPは、フィラメントにサンプルを塗布したプローブを直接MSのイオン化室に入れ、ガスクロマトグラフを通さずに、真空下で測定するオプションです。高沸点成分や熱不安定な化合物の測定を行うことができます。
- ガスクロマトグラフ部には、マルチショットパイロライザー(Py)のオプションが接続でき、熱分解GC/MSの測定ができます。熱分解GC/MSは、難揮発性の高分子材料などを急速加熱で分解し、その生成物や断片を測定することができます。
仕様
本体
Orbitrap質量分析計[Exploris GC]
- 高分解能: 質量分解能 60,000(@ m/z 200)
- 質量範囲: m/z 30 - 3,000
- 高精度: 内標準 < 1ppm RMS、外標準 < 3ppm RMS(@ 24時間)
- イオン化法: EI、CI
- 真空プローブインターロック(VPI)機能で容易にイオンモードやカラムを交換可能
- MS/MS対応
- イオンルーティング多重極による高エネルギー衝突解離(HCD)
ガスクロマトグラフ(GC)
- マルチタイプオートサンプラー
- 溶液注入、ヘッドスペース、SPME/SPME Arrow が使用可能
- マルチショットパイロライザー [EGA / PY-3030D]
- 熱分解温度: 室温~1050℃
- 発生ガス分析法、熱脱着法、瞬間熱分解法、ダブルショット法、ハートカットEGA-GC/MS法 が使用可能
- モジュール形式の検出器を着脱可能
- フレームイオン化検出器(FID)
ソフトウェア
Compound Discoverer
- 低分子化合物の総合解析ツール
- 同位体微細構造を用いた組成決定
- クロマトグラフの自動デコンボリューション機能
- 化合物ライブラリ検索による自動探索 など
Trace Finder
- ノンターゲット解析のスクリーニング機能
- ルーチン定量の支援
- ライブラリ検索
- レポート機能 など
利用方法
本設備は、学内・学外、自己測定(相互利用)・依頼測定 にかかわらず、すべての受入れをしています。若干、条件が異なりますので、詳しくは担当者にご相談ください。
学内利用
依頼測定
- 大学連携ネットワークにアクセスしていただき、本設備の設備ニュースで公開している定期予約日(概ね2週間に1回)にお申込みください。いくつかの確認事項がありますので、大学連携ネットワークに登録するだけでなく、事前に担当者へのメール連絡も行ってください。
- 依頼するときは、必ず当センターの依頼申込書を作成し、大学連携ネットワークを通じて提出してください。
- 利用件数(数10検体以上)または頻度(3回/年以上)が多い場合は、自己測定もご検討ください。
自己測定
自己測定のご利用については、こちらのページを参照してください。
学外利用
依頼測定
- 利用方法は、当センターの利用方法のページをご確認ください。
- 実施頻度は、学内の依頼測定と同様に、定期予約日で対応しております。緊急対応(納期指定)につきましては、別途ご相談ください。
自己測定(相互利用)
- 自己測定の対応は、学内利用者とほぼ同様です。特別な事情がない限り、大学連携ネットワークの登録が必須となります。