液体クロマトグラフ-質量分析計 (LC/MS): Exploris 240
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機器名
液体クロマトグラフ / Orbitrap質量分析計
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機器名(英語)
Liquid Chromatograph / Orbitrap Mass Spectrometer
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メーカー
サーモフィッシャーサイエンティフィック(株)
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メーカー(英語)
Thermo Fisher Scientific K.K.
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型式
Exploris 240
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型式(英語)
Exploris 240
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利用目的
有機化合物の定性・定量、混合物の成分分析
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担当
石原、戸田
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連絡先
お問い合わせフォームより連絡
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状況
使用不可
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解消予定
なし
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補足情報
運用開始前
【お知らせ】
本装置は運用準備中です。下記の記載事項も更新中のため、正しい記述ではございません。
しばらくお待ちください。
概要
質量分析計の概要
本装置は、質量分解能に優れるOrbitrap質量分析計であり、精密質量や同位体質量からの同定精度が極めて高い特長があります。溶液の測定に特化している液体クロマトグラフ質量分析計の構成であり、2種類の液体クロマトグラフが利用できます。
質量分解能は検出するイオンの質量によりますが、m/z 200において240,000(FWHM)もの高分解能が達成できます。少数点以下の精密質量測定と同位体ごとのピーク検出により、高い精度での分子式の絞り込みと推定ができます。また、本装置はMS/MSが使用できるため、フラグメントイオンの解析が可能です。生成した断片から分子構造を推定することもできます。また、ソフトウェアのCompound Discovererを併用することで複雑な解析も簡単に行うことができます。
主に定性分析による成分同定がメインの機能ですが、高分解能・高感度を生かして定量分析に応用することができます。SIMモードとMS/MSモードの利用により、サブピコグラムのオーダーの分析に挑戦することもできます。感度性能を要求しない成分であれば、HPLC用検出器が複数あるので、そちらで定量・半定量の測定をすることもできます。
液体クロマトグラフの概要
Vanquish Flexは、UHPLC(Ultra High Performance Liquid Chromatography)システムであり、汎用的な用途の高速分析に用いられます。UV-Vis検出器(ダイオードアレイ検出器)と荷電化粒子検出器(CAD)を備えており、成分分離だけでなく定量分析にも利用することができます。成分同定の自動化ツールも備えるため、化合物同定だけでなく、メタボロミクスのような多成分の同定が必要な用途にも対応できます。
一方、Vanquish Neoは、ナノフローLCの機能を持ち、質量分析計と組み合わせることで低流量で高感度な分析が可能です。主にショットガンプロテオミクスなどの感度が必要な分析に利用できます。オプションのプロテオミクスツールを使用することで、各種の解析法をサポートしています。
用途
- 液体クロマトグラフが付属していることから、混合物である溶液を分離して、試料の成分分析をすることができます。極性が高めの試料の方が測定しやすく、極性が低い(脂溶性が高い)試料は測定しにくいです。
- ナノフローLC(Vanquish Neo)と、ソフトウェアのProteome Discovererを併用することで、ショットガンプロテオミクスのような網羅解析や、ラベルフリー定量のような定性・定量の機能を使用することができます。
仕様
本体
Orbitrap質量分析計[Exploris 240]
- 高分解能: 質量分解能 240,000(@ m/z 200)
- 質量範囲: m/z 40 - 6,000 (ただし、多価イオン検出可能)
- 高精度: 内標準 < 1ppm RMS、外標準 < 3ppm RMS(@ 24時間)
- イオン化法: ESI(H-ESIⅡプローブ)、APCI(APCIプローブ)
- MS/MS対応
- イオンルーティング多重極による高エネルギー衝突解離(HCD)
超高速液体クロマトグラフ(UHPLC) [Vanquish Flex]
- グラジエント方式、逆グラジエントLC-CAD対応
- 圧力: 2~103MPa
- フォトダイオードアレイ検出器(DAD/別名PDA): UV吸収のある成分を高感度に測定。マルチチャンネル測定、3Dスペクトルに対応。
- 荷電化粒子検出器(CAD): UV吸収の弱い成分の測定、半定量分析が可能
ナノフロー液体クロマトグラフ(NanoLC) [Vanquish Neo]
- 流量: 1nL/min~100µL/min に対応
* UHPLCは単独でも動作します。NanoLCは質量分析計が必須であり、単独では動作できません。
ソフトウェア
Proteome Discoverer
- タンパク質解析総合プラットフォーム
- ペプチド・タンパク同定、データベース検索
- ラベル化試薬・ラベルフリー定量 など
Compound Discoverer
- 低分子化合物の総合解析ツール
- 同位体微細構造を用いた組成決定
- クロマトグラフの自動デコンボリューション機能
- 化合物ライブラリ検索による自動探索 など
Trace Finder
- ノンターゲット解析のスクリーニング機能
- ルーチン定量の支援
- ライブラリ検索
- レポート機能 など
利用方法
本設備は、学内・学外、自己測定(相互利用)・依頼測定 にかかわらず、すべての受入れをしています。若干、条件が異なりますので、詳しくは担当者にご相談ください。
学内利用
依頼測定
- 大学連携ネットワークにアクセスしていただき、本設備の設備ニュースで公開している定期予約日(概ね2週間に1回)にお申込みください。いくつかの確認事項がありますので、大学連携ネットワークに登録するだけでなく、事前に担当者へのメール連絡も行ってください。
- 依頼するときは、必ず当センターの依頼申込書を作成し、大学連携ネットワークを通じて提出してください。
- 利用件数(数10検体以上)または頻度(3回/年以上)が多い場合は、自己測定もご検討ください。
自己測定
自己測定のご利用については、こちらのページを参照してください。
学外利用
依頼測定
- 利用方法は、当センターの利用方法のページをご確認ください。
- 実施頻度は、学内の依頼測定と同様に、定期予約日で対応しております。緊急対応(納期指定)につきましては、別途ご相談ください。
自己測定(相互利用)
- 自己測定の対応は、学内利用者とほぼ同様です。特別な事情がない限り、大学連携ネットワークの登録が必須となります。