ラマン分光計: inVia Reflex
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機器名
ラマン分光計
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機器名(英語)
Raman spectrometer
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メーカー
レニショー
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メーカー(英語)
RENISHAW
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型式
inVia reflex
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利用目的
材料、有機化合物の定性・定量、天然物・微生物などの分析、異物分析など
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担当
髙梨
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連絡先
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状況
正常
設置場所
概要
物質に光を当てたとき、散乱光のごく一部に波長の異なる光が発生します。この現象をラマン散乱といい、ラマン分光では、レーザーによる単色光を当てて散乱光を測定することによりラマンスペクトルを得ます。ラマンスペクトルは、原子の振動(ばね運動に相当)によって周波数が変わるため、原子の質量と原子間の結合力に依存したラマンバンドが得られ、試料に含まれる結合や分子の解析をすることができます。
用途
- 有機化合物や金属酸化物などの物質は、成分が同じであれば同じスペクトルが得られるので、ラマンスペクトルから物質の同定をすることができます。
- 混合物の解析はピークが複雑になるほど難しくなりますが、波形分離などを駆使することによって成分分析や定量ができることがあります。
- ピークの半値幅を見ることで結晶化度を調べることができます。
- ピークのシフト量を見ることで、応力状態を調べることができます。
- 点分析では微量なピークの違いの見極めが困難な場合でも、マッピング測定によりピークの違いを見つけることができる場合があります。
- 標準装備されている光学顕微鏡により、微小領域(分解能: 1μm(100倍対物レンズ使用))のラマンイメージ測定ができて、物質や成分の空間分布を調べることができます。
- 共焦点モードによって、物質の深さ方向(分解能: 2μm(100倍対物レンズ、共焦点モード使用))の分析をすることができます。
- 温度可変ステージ(約-100℃~600℃)により、固体材料の相転移などの測定ができます。
仕様
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試料条件
- スライドガラスに載せられるもの。
- スライドガラスに載せなくても見失わないもの。
- シャーレ等に入れられる液体(シャーレ等は持参)。
- バイアル等に封入された気体。
- 強い蛍光を発しない事。
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空間分解能
- 平面方向 1.5μm (100倍対物レンズ使用時)
- 垂直方向 2 μm(100倍対物レンズで共焦点測定時)
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波数分解能
- 1800 l/mm か 1200 l/mm の回折格子使用時:2 cm-1
- 3000 l/mm 回折格子使用時:1 cm-1
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励起光
- 532 nm グリーンレーザー (最大出力100mW)
- 785 nm 赤外レーザー(最大出力300mW)
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分光フィルター
- エッジフィルター(標準): 120 cm-1以下をカット
- ノッチフィルター: -120 ~ +120 cm-1 をカット(532nmのみ)
- NEXTフィルター: 10 cm-1以下をカット(ただしコンディションによる)
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回折格子
- 532 nm: 1800 l/mm(固定とスイープのモード切替可) および 3000 l/mm(固定モード)
- 785 nm: 1200 l/mm(固定とスイープのモード切替可)
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対物レンズ
- 100X / 0.85 (WD: 0.33mm)
- 50X / 0.75 (WD: 0.5mm)
- 20X / 0.40 (WD: 1.15mm)
- 長焦点 5X / 0.12 (WD: 14mm)
- 長焦点 50X / 0.50 (WD: 8.2mm)
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オプション
- マッピング: ピーク高、波数のずれ、半値幅等
- 温度コントロール: -196℃(液体窒素)から600℃
利用方法
学内・学外問わず、ご利用いただけます。
自己測定(大学連携NWでは「相互利用」と表記)
利用資格の取得が必要で、取得するには以下の条件が必要です。
依頼測定
依頼相談は、機器担当者にお問い合わせ下さい。学内者はなるべく自己測定での対応をお願いしています。
予約確認
大学連携NWにログインしていない状態で、以下のアドレスにアクセスしてください。
講習
自己測定でご利用いただくには、利用講習の受講が必要となります。
申請方法について
右上の講習申し込みフォームよりご申請ください。その際は、装置の紹介ページに目を通したことを併せてご連絡ください。
講習内容について
講習はお持ちいただいた試料を測定しながら行い、2時間程度となります。
講習には、以下のものをお持ちください。
- 測定試料
- 測定波数や設定等の参考となる資料
- ラマン分光計操作手順書
- データを持ち帰るためのUSBメモリー(装置PCに直接は差し込めません)
便利情報
スペクトルデータの表示
この装置の測定データとして保存できるファイルの種類は、測定アプリケーションであるWiREネイティブの *.wdf ファイルと、スペクトルデータとして標準的となっているギャラクティック *.spc ファイル、エクセルなどでもインポートできる *.txt が可能です。
*.spcは多くのアプリケーションで対応していますが、*.wdfは「Spectragryph」というフリーで使えるアプリケーションで読み込めることを確認しています。
キーワード
ラマン raman 分子振動 光学フォノン フォトルミネッセンス G/D比