概要
液体の試料を霧状にし、高温のプラズマに導入することで発光させ、元素固有の光(スペクトル線)の波長と強さを観測することにより、元素の定量・定性を行うための装置です。
- 液体試料の元素を測定する類似の装置に原子吸光法、ICP-MSがあり、特徴は以下の通りです。
- 原子吸光法:ルーチン的な操作では扱いやすい。ppbオーダー。元素に応じた光源が必要。
- ICP-AES (ICP-OES):主成分の測定に対して比較的万能。ppbオーダー。
- ICP-MS:微量成分の測定向き。pptオーダー。ppmオーダーの高濃度マトリクスは不可。
- ICP-AESは、分光のために回折格子を使用していますが、それらを駆動させて測定するシーケンシャルタイプと、駆動させずに一度に検出するマルチタイプがあります。前者は分解能が高いですが、測定する元素に応じて測定時間が長くなる欠点があり、後者は逆となります。本装置は多元素の同時分析に向いているマルチタイプ装置となっています。
- 干渉量を自動診断できるデータベースとソフトウェアを備えるため、多元素干渉試料でも初心者が比較的簡単に測定することができます。