ICP質量分析装置 : Agilent 7700x
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機器名
ICP 質量分析装置
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機器名(英語)
Inductively coupled plasma mass spectrometry
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メーカー
アジレント・テクノロジー(株)
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メーカー(英語)
Agilent Technologies, Inc.
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型式
Agilent 7700x
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利用目的
元素分析(無機元素)[溶液・バルク]
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担当
髙梨
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連絡先

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状況
正常
設置場所
この装置は、機器分析評価センター西側の2階、208室に設置しています。
概要
プラズマ化したアルゴンガスに、霧状にした試料を導入することで、イオン化した試料を質量分析計によって元素の定量をする分析法です。
液体試料の元素を測定する類似の装置に原子吸光法やICP-AESがあり特徴は以下の通りです。
- 原子吸光法:溶媒の種類を選ばずに測定できます。一方、測定には元素に応じた光源が必要です。ppbオーダー。
- ICP-AES:水性の溶媒に対応しています。多元素の測定を得意としています。ppbオーダー。
- ICP-MS:微量成分の測定向き。ppmオーダーの高濃度マトリクス試料には対応しません。pptオーダー。。
ICP-MSは、装置をクリーンルームに設置することで高い感度が発揮されますが、本装置は普通の実験室内に設置しているため、空気中のバックグラウンドにより元素によっては検出限界は高くなっています。
仕様・特徴
試料
- 溶媒は、1%から5%程度の硝酸水溶液を推奨します。
- フッ酸を含むものは微量でも不可です。
- 有機溶媒を含むものは使用できません。
多原子イオン干渉除去法
- 多原子イオン干渉※ を低減する技術として、コリジョンリアクションセル(CRC)を採用しています。CRCは、単原子イオンより多原子イオンの方がセルガスとの衝突頻度が多いことを利用して、多原子イオンの干渉を除去する方法です。本装置では、CRCのセルガスにヘリウムを採用しており、副反応を抑えつつ干渉を大幅に低減することができます。
※ 多原子イオン干渉とは、主にアルゴンや酸素が結合した多原子イオンによる干渉のことです。例えば、 ArO (m/z 56) と 56 Fe (m/z 56) の干渉などが有名で、鉄鋼業でICP-MSが不向きなのはそのためです。使用する酸にも依りますが、アルゴン、酸素、窒素、水素、硫黄、ハロゲン、アルカリ金属などの多原子イオンが観測されることがあります。多原子イオン干渉を確認するには、近い条件(酸を加えるなど)で引いた検量線の切片を計算してみればわかります。金属イオンの多原子干渉は、同位体の天然存在比も考慮する必要があって、やや難しいので注意が必要です。一般には、干渉のない同位体か、目的元素の存在比が多いものを使用するのが良いとされています。なお、本装置は基本性能が優れているため、多くの多原子干渉はpptオーダーの精密分析を行わない限り、問題にならないことも多いです。
利用方法
学内・学外問わず、ご利用いただけます。
ただし試料に関する制限があるので、新しいものを測定する際にはあらかじめご相談ください。
自己測定(相互利用)
利用資格の取得が必要で、取得するには以下の条件が必要です。
依頼測定
依頼相談は、機器担当者にお問い合わせ下さい。学内者は、一度きりの測定でなければ自己測定をお願いします。
予約確認
大学連携NWにログインしていない状態で、以下のアドレスにアクセスしてください。
講習
自己測定でご利用いただくには、利用講習の受講が必要となります。
申請方法について
お問い合わせフォームより担当者に申請ください。その際、この紹介ページに目を通したことも併せてご連絡ください。日程等を調整のうえ講習を行います。
複数名での講習は最大3名まで可能です。
講習内容について
講習内容はご相談により決定します。お持物は、以下が必要です。
- 測定試料(試料の必要量は、おおむね7 ml です。)
- ブランク試料を含む検量線試料
- 廃液を持ち帰るための容器
- データを持ち帰るためのUSBメモリー(装置に直接は差し込めません)