概要・特徴
元素分析装置は、燃焼法による有機物の元素分析をオールインワンで行う装置であり、1回の測定で同時に元素の定量ができます。測定できる元素は、有機物の基本構成である炭素(C)、水素(H)、窒素(N)、硫黄(S)となりますが、特殊な構成にすれば酸素(O)やハロゲンなどの測定(オプションパーツが必要)も可能となります。本装置は、目的に応じてCHNS(標準仕様)、CHN、CNS、N、Sなどの元素モードが利用できます。有機物の元素分析では最も普及している分析法であり、有機合成から生物、環境分野まで幅広く利用されています。
当センター設置の装置は、エレメンター社製 UNICUBEです。本装置は吸脱着カラムの採用により、広いダイナミックレンジを持ち分離の際のオーバーラップが少ないのが特徴です。基本設計は有機化合物や医薬品などの微量分析向けですが、ある程度であれば、微量物質から土壌などの不均一な物質まで対応できる高い汎用性を持っております。
サンプル導入部は、測定者誤差の出にくい垂直落下方式となっています。固体試料はサンプルケース(スズ製等)に梱包するか、または箔に包んで手押し成型器によってペレット状に成型します。また、液体試料はスズ製カプセルに充填した後、酸素ガス雰囲気下で液体サンプルシーラーを用いて密封します。調製したサンプルは、数回の標準サンプル測定によって日常係数補正を実施した後、実測定を行います。