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走査プローブ顕微鏡ガイド - スキャナの特性と測定範囲 -

  • このページでは、走査プローブ顕微鏡の重要な要素の一つである、スキャナとその特性について説明しています。走査プローブ顕微鏡による形状測定では、探針が動いて試料表面を走査するイメージがありますが、多くの装置では探針は固定または探針が試料にアプローチするまでの大きな上下運動のみが可能です。試料表面をスキャンする際には、ナノメートル以下の微細な動きを実現可能なチューブピエゾスキャナが使用されます。

スキャナの動作原理と特性

一般に、小型の装置では試料台の下にチューブピエゾスキャナが置かれており、探針の情報をフィードバック制御して試料表面に追従し、表面形状を取得します。スキャナに用いられるピエゾ素子は、圧力を加えると電圧が発生し、電圧を加えると変形するという性質を持ち、これを利用してXY(平面)方向に試料をスキャンし、Z(高さ)方向の凹凸に追従して表面形状を取得します。

scanner.jpg

チューブピエゾスキャナによる試料のスキャン

スキャナはXY方向、Z方向それぞれに駆動可能な範囲が決まっており、SPM-9700HTの標準スキャナではXY方向10µm、Z方向約1µm、SPA400/SPI3800NではXY方向20µm、Z方向1.5µmです。それを超える範囲の形状を測定するためには、より駆動範囲が広い広域スキャナを使用します。 機器分析評価センターで用意しているSPM-9700HTの広域スキャナはXY方向125µm、Z方向7µm、 SPA400/SPI3800NではXY方向100µm、Z方向15µmのスキャンが可能です。広域スキャナは走査範囲が広いですが、スキャン速度を上げにくく、特にZ方向の分解能が十分で無い場合があるため、それを考慮して使い分ける必要があります。

平滑性の高い試料を広範囲にスキャンすると、すり鉢状または弓状に表面が湾曲した像が得られることがあります。これは、スキャナが実際には平面では無く振り子上に頭を振る動きをしていることが原因で、曲面補正によって実際の形状に戻す必要があります。