フォースカーブ測定の原理
一般的な形状測定では、カンチレバーの先端を横方向にスキャンすることで凹凸の情報から表面形状を測定しますが、フォースカーブ測定ではカンチレバーを縦方向にコントロールし、先端を試料に押しつけて(アプローチ)から離す(リリース)までのたわみ量と試料と先端の間の距離の関係を取得します。並行して形状測定を行うことで、表面形状の位置ごとの硬さの情報を得ることができます。

フォースカーブ測定時の探針の動きとカンチレバーのたわみ量の関係
カンチレバーのたわみ量はカンチレバー先端と試料表面にかかる力に応じて変化します。カンチレバー先端が表面に近づき、接触するとカンチレバーのたわみ量が増加していきます。試料の硬さによって先端が表面にめり込む量が変わるため、押しつけ時のたわみ量の変化には試料の硬さ情報が含まれます。一定のたわみ量まで先端を押し込んだ後に先端を上昇させると、表面に吸着力がある場合はすぐに先端が表面から離れず、一定の距離まで逆方向のたわみが生じます。どこまで引っ張ればカンチレバーが離れるかの情報から、試料表面の吸着力の情報が得られます。
フォースカーブの情報は、そのままでは定性的なデータになりますが、カンチレバーの形状、硬さ(バネ定数)の情報、たわみ量と移動距離の関係などを元にモデル計算を行うことで、定量的な弾性率等の情報を得ることができます。