概要
本装置は、ガスクロマトグラフ質量分析計(GC/MS)であり、試料から揮発性のある成分の分離を行い、同時にその成分の質量(≒分子量)を測定することができます。このような成分同定を目的とした定性分析の他に、適切な標準試料があれば定量分析も可能です。
また、本装置は、一般的な四重極GC/MSと異なり、四重極分離装置を3連結にしているトリプル四重極(Q-コリジョン-Q)タイプの装置になっています。これにより、定性分析ではMS/MSによるフラグメントイオンの解析により構造情報が得られます。また、定量分析においては、MRM(多重反応モニタリング)法による分析により、マトリックス成分による妨害が軽減されるため、夾雑物が多い試料でも高感度化が実現できます。
GC注入口には、サーマルセパレーションプローブ(TSP)とマルチモード注入口(MMI)を備えており、前処理をしていない試料でも装置の汚染を低減させて測定できます。注入後は、GCカラムによる分離ありか、不活性カラムによる短時間測定かを選択することができ、用途によって使い分けられます。